古代ギリシャコイン イタリア・カラブリア州タラス スタテル銀貨 前281-前272年 イルカに乗るタラスの銀貨

古代ギリシャコイン イタリア・カラブリア州タラス スタテル銀貨 前281-前272年 イルカに乗るタラスの銀貨

販売価格: 143,000(税込)

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作品詳細

古代ギリシャコイン イタリア半島カラブリア地方 タラス スタテル銀貨 

前281-前272年発行

オモテ:ΓY API ΣTI Π 槍と盾を持って馬に乗る裸の男性

ウラ:TAΡAΣ(タラス) ΛI 弓と矢を持ってイルカに乗るタラス

サイズ:6,53g 20mm

タラント位置

イタリア半島カラブリア地方のタラスは最も繁栄したギリシャ都市の1つ。ラテン語ではタラントゥムと呼ばれたため、タラントと表記される場合も多い。
前8世紀にスパルタが建設した植民市。
哲人アルキュタスによって、前4世紀に最盛期を迎えた。
前272年にはローマの支配下に入った。
第2次ポエニ戦争時には、ハンニバルに占領されたが、前209年、再度ローマの支配下となった。

タラスでのコイン発行は前510年頃に開始された。
初期のコインからイルカに乗った少年の意匠が表された。
イルカに乗った少年は神話上の都市の建設者タラスとされる。
タラスはポセイドンの息子である。
タラスは航海の途中、船が難破し海に投げ出されたが、ポセイドンが遣わしたイルカによって助けられた。イルカに乗ったタラスがカラブリア地方の沿岸に辿り着き、都市タラスを建設した。

また、イルカに乗った少年は、古代ギリシャ4大競技会の1つイストミア大会の起源神話にも登場するため、イルカに乗った少年はイストミア大会の象徴とする説もある。
イストミア大会の神話起源はオルコメノス王アタマスの子メリケルテスの死である。
メリケルテスの母レウコテアは、メリケルテスを腕に抱いて海に身を投げ無理心中をした。
メリケルテスの遺体はイルカの背に乗ってコリントスへと運ばれ、コリントス(イストミアを管轄する都市国家)では、メリケルテスの葬礼儀礼としてイストミア大会が開始されたのである。

タラスでは前415年頃から、オモテ面に馬に乗った裸の騎手、ウラ面にイルカに乗った少年が表されたコインが発行されていった。
その図像種類は様々で、100種類以上ものヴァリエーションがある。


<古代競技会>
古代では古代オリンピックを代表として各地で神々に捧げる競技会が開かれていた。
古代オリンピックでは様々な競馬競技があったが、その中にアナバテス(下馬競走)という種目があった。
アナバテスでは騎手が最後のコースで馬からおりて、馬と一緒に走った。
この起源は戦場でのスピードと俊敏さが重要視された軍隊であると考えられている。

当コインオモテ面、馬に乗る裸の騎手

馬から下りる騎手が刻まれたタラスの銀貨