ギャラリー パリシー 
パリシーとは

〈理念〉
ギャラリー Parisii パリシーのホームページをご覧頂きありがとうございます。
当ギャラリーは西洋古代コインを専門に扱い、古代コイン芸術の発信に努めております。
日本ではコインと聞くと、小銭のようなものをイメージされるかもしれません。
しかし、西洋古代コインは、金、銀、銅などの貴重な金属に、細かな手彫りの打刻型で意匠が打ち込まれた芸術作品です。
古代コインは、1cmに満たないものから3cmほどと、指の1関節ほどの大きさです。
小さいながらも、ひとたび手にとれば、その立体的な美しさに息が止まります。
世界で最初のコインがつくられたのは、紀元前7世紀、小アジア(現トルコ)でのことで、打刻の方法が用いられました。
これを機に、古代ギリシャの各都市に打刻コイン発行が伝わり、類まれな彫る技術を持った古代ギリシャ人によってコイン芸術は花開きました。
古代の打刻コインは、手でデザインを彫った打刻型に、金属片を挟んで一枚一枚、ハンマーで打刻して作られました。
それゆえ同じものは1つとしてありません。
コインは貨幣ですから、同じ意匠のものを大量に作る必要がありました。
しかし意匠が彫られた打刻型は、すぐに摩耗してしまうため、発行時に複数の打刻型が作られました。打刻型は職人が手で彫っていたため、一つ一つ異なります。
それゆえ、打刻型の違い、さらに打刻の時の力加減や角度によって、全く違う作品が生まれます。
また西洋古代コインが現代のコインとは違って、格別に美しい理由は、コイン意匠が神話と切り離せないものであったからです。
古代ギリシャ人は自分たちが信仰する神々をコインに表し、コイン自体にギリシャの神々を宿らせました。
現代では物に魂が宿るという考えは少数ですが、古代人は万物に神が宿ると信じていました。
神々の分身をつくるという気持ちで作品制作に挑んでいたからこそ、古代ギリシャ人はコイン意匠に理想的な美を表し、コイン芸術が華やいだのです。
そして、古代コイン芸術に個性、写実性を見出し、古代コイン芸術をさらに豊かにしたのが、前3世紀以降、地中海世界の覇者となったローマ人です。
ユリウス・カエサルは自身の肖像をコインに刻んだ最初の人です。生身の人間の写実的な肖像を初めてコインに登場させたのはカエサルです。
これはコイン史上大きな発明で、その後のローマの偉人たち、皇帝たちはコインに自分たちの美しい肖像を刻みつづけました。
例えば、ローマ皇帝の肖像のコインを手にとって見ます。
目が綺麗に打ち込まれているものであれば、それは生き生きとした表情を見せ、まるで遥か昔のローマ皇帝が私たちに何かを語りかけるような錯覚に陥ります。
そして、古代コイン芸術を知るためには、紀元前2-前1世紀にガリア(現在のフランス・ベルギー)やブリタニア(現在のイギリス)でケルト人によってつくられた独創的なコインに着目する必要があります。
中でも、フランスの首都パリで前2-前1世紀に、ケルト人ガリア・パリシー族が発行したコインの芸術性は高く、フランスではケルト美術作品の最高峰と評価されています。
当ギャラリーの名称もこのパリシー族の古代の記憶を未来へとつなぐためパリシーとしました。

古代ギリシャやローマのコインの蒐集、研究はすでにルネッサンス期から盛んでしたが、古代ケルト人のコインは、長らくヨーロッパにおいて、蛮族のコインという偏見や先入観によって、見過ごされていたという背景があります。
1970年代になってようやく、イギリス人やフランス人によって本格的な研究がなされ始め、未だ日本においてはほとんど紹介されていません。
しかし、日本においては、西洋古代コインを体系的に所蔵している博物館、美術館がないため、西洋古代コイン研究は非常に難しいのが現状です。
ヨーロッパでは、多くの博物館、美術館に古代コインのコレクションがあり、ニュミズマティック(貨幣学)という世界が確立されています。
またニュミズマティストと呼ばれる研究者や収集家の親交の場が沢山あり、古代コインの芸術的側面にも光が当てられています。
他の美術品もそうですが、古代コインを研究する上で、最も重要なのが世界に散らばるコレクター、蒐集家の存在です。
現在、ヨーロッパの主要な博物館に所蔵されているコインコレクションも元々は個人が人生を懸けて集めたものが基礎となっています。
当ギャラリーはそのような世界有数のコレクターや老舗コイン商、世界のオークションハウスとの直接取引を通じ、学術的・美術的価値の高い作品を販売いたしております。

〈専門性と信頼〉
Parisiiは、日本でも数少ない古代ギリシャ・ローマ・ケルト貨幣の専門ギャラリーです。 取扱うすべてのコインは、当時に実際に発行された本物のアンティークコインであり、 現行のレプリカやリプロダクションではありません。
これまでに欧州の老舗コイン商、ロンドン・チューリッヒ・パリのオークションハウスとの直接取引を通じ、 学術的・美術的価値の高い作品を選定してきました。 コレクション総数は日本国内でも有数の規模を誇ります。

〈実績と新しい展開〉
長年にわたりオークション主体で活動してきたParisiiは、
これまで多くの博物館級コレクションの収集・仲介に携わってきました。
たとえば、古代ローマ史上最も象徴的な貨幣の一つであるブルータスのEID MARのデナリウス銀貨 、ローマ帝国の栄光を伝えるティトゥス帝のコロッセオのコインなど、
世界的にも重要な作品を取り扱ってまいりました。
また、NHK「歴史発見ヒストリア」では、 クレオパトラの娘セレナを描いた希少なコインを番組制作のために提供し、 古代エジプトからローマへと続く歴史の現場に貢献しています。
そしてさらに多くの方に古代の美と知に触れていただくため、
オンラインでの小売販売を展開しております。
Rivoli Antiquesとの連携により、
東京都港区・札の辻ギャラリーでは実物の確認・引き渡しも可能です(Rivoli Antiquesの予約フォームより要予約)


〈鑑定と真贋について〉
Parisiiでは、古代貨幣の真贋判定において、ヨーロッパ古美術市場の基準を採用しています。
近年、アメリカを中心に第三者鑑定機関(NGCなど)が普及していますが、 それらは主に近代以降の貨幣を対象としており、 古代ギリシャ・ローマ・ケルト貨幣に関しては専門性・判断基準に限界があると考えられています。 そのため、ヨーロッパの主要オークションハウスや老舗コイン商では、 NGC等の鑑定結果を真贋保証として採用していないのが一般的です。

Parisiiは、これらのヨーロッパ古銭界の伝統と見識に基づき、 長年にわたり信頼関係を築いてきた現地専門家・商会・鑑定士のネットワークを通じて真贋を確認しております。 各コインは入荷時に厳正な選定を行い、 当ギャラリーの責任において真作(当時に発行された本物)であることを保証いたします。
なお、当ギャラリーではヨーロッパの慣習に倣い、 コインをプラスチックケース等に封入する「スラブ鑑定」は行っておりません。 古代貨幣は一枚一枚が手仕事の芸術作品であり、 直接その質感・量感・細部の美を感じていただくことを大切にしています。
※アメリカ系鑑定会社のグレーディング結果・評価額・認証有無に基づく 返品やクレームには応じかねますので、あらかじめご了承ください。


〈真贋判定および返品について〉
Parisiiで販売するコインは、ヨーロッパの主要オークションハウスおよび専門商会との取引を通じて厳正に選定された、当時に発行された本物の古代貨幣です。
ご購入後にお客様が第三者鑑定機関(NGC等)に提出され、その結果について真贋に疑義が生じた場合でも、 その鑑定結果のみを理由とした返品・返金は原則としてお受けしておりません。