古代ギリシャコイン(額装付き) コリントス スタテル銀貨 前350-前306年 コリントスの象徴ペガサス コリントス式兜のアテナ神

古代ギリシャコイン(額装付き) コリントス スタテル銀貨 前350-前306年 コリントスの象徴ペガサス コリントス式兜のアテナ神

作品詳細

古代ギリシャコイン コリントス スタテル銀貨 (額装付き)

前350-前306年発行

オモテ面:左向きのペガサス

ウラ面:コリント式兜を被った左向きのアテナ神 

サイズ:8,07g 20mm
額のサイズ:165mm×165mm

コリントスのコインは、ペガサスがシンボルであった。
オモテ面には美しい翼のペガサスが表された。
これはギリシャ神話のコリントスの英雄ベレロポンに由来する。
メドゥーサがペルセウスによって首をはねられた時、メドゥーサの胴体からペガサスが誕生した。
ベレロポンはペガサスを調教し、キマイラ退治をした。
コリント湾から10kmに位置するヘリコン山は古代ギリシャの聖山で、ペガサスが山の岩壁を蹄で蹴ると泉が流れ出たという神話がある。

 ペガサス誕生の場面(首を切られたメドゥーサの腕の中にペガサスがいる) セリヌンテの神殿C(前540-前510年頃)のメトープ パレルモ考古学博物館 店主撮影


オモテ面にはコリントス式兜を被ったアテナ神が表されている。またこの女神は、コリントスの重要な女神アフロディーテ(アクロポリスに大神殿があった)が武装した姿であるとの見方もある。
このコインの女神肖像の後ろには、非常にバリエーションに富んだシンボルが表された。この写真のコインは、ヘラクレスの棍棒とニワトリが表されているが、他にはアルテミスや鷲、イノシシ、ポセイドンの矛など、様々である。
これはコイン発行を任された人物のマークと考えらている。

コリントス式兜のアテナ 1世紀頃 オスティア博物館 店主撮影


コリントス式兜 アグリジェント考古学博物館 店主撮影


コリントス位置

コリントス
前9世紀、ドーリア人によって建設された都市国家。ペロポネソス半島とギリシャ本土をつなぐイストモス地峡に位置したコリントスは交易の要所であったため繁栄した。コリントスは地中海世界に30ほどの植民市を築いた強国。

コリントスの貨幣発行は前6世紀に始まり、前5、4世紀の間、ペロポネソス戦争中を除いて(コリントスの貨幣に使われた銀もアテネの銀山に頼っていたため、アテネが敵になってしまっため銀が不足した)盛んに発行された。
前4世紀後半になると、スタテル銀貨とドラクマ銀貨の発行が劇的に増加した。
これは、前344年のコリントスの将軍ティモレオンがシチリアを占領したことと関連していると推測されている。
その後、前308-前306年、エジプトのプトレマイオス1世がコリントスを占有したことによって、銀貨の発行は衰えて行ったと考えられている。