古代ローマコイン 帝政期 ネロと母アグリッピナ 54-59年 銅貨(属州貨イオニア地方スミルナ) ネロとアグリッピナ、悲劇の親子のコイン
古代ローマコイン 帝政期 ネロと母アグリッピナ 54-59年 銅貨(属州貨イオニア地方スミルナ) ネロとアグリッピナ、悲劇の親子のコイン
販売価格: 90,000円(税込)
作品詳細
古代ローマコイン 帝政期 ネロ 属州貨(イオニア地方スミルナ発行) ブロンズ貨
54-59年、スミルナ発行
オモテ:NEPΩNA ΣEBAΣTON AΓPΠΠIN AN ΣEBAΣTHN 向い合うネロとアグリッピナの肖像
ウラ:ΓEBAΣΣIOC ΦIΛOΠATPIC CMY 右向きのネメシスの立像
サイズ:4,53g 18mm
イオニア地方スミルナで発行されたネロの銅貨。オモテ面にはネロ(向かって右)、その母アグリッピナ(左)が刻まれている。
アグリッピナはクラウディウス帝を毒殺して54年ネロを帝位につけた。
ネロはこの時16歳、コイン肖像の顔も初々しい。母アグリッピナと仲睦まじく向き合った肖像はこの時期のアグリッピナの権力を象徴している。ネロはこの後、母を殺めることになるとは露にも思っていなかっただろう。
<スミルナ>
トルコ西部の港湾都市。エーゲ海から深く湾入するイズミル湾奥に位置する。
地中海世界ではアテネに次いで歴史的に重要な都市で、建設はトロイとほぼ同時代の前3000年にさかのぼる。
前1000年頃にはギリシャの植民都市であったことが知られ、前7世紀に都市国家となったが、前6世紀頃リディアに征服された。
前4世紀にアレクサンダー大王によって再建され、小アジアにおける主要都市となった。
後にローマの属州アシアに編入。
<ネロ>
ローマ皇帝(在位54-68年)。
母、アグリッピナは皇帝クラウディウスに嫁し、ネロをその養子とし、さらにネロと前妃の子オクタウィアと結婚させ、さまざまな栄誉を与えて、クラウディウスの後継者とした。
54年アグリッピナは夫を、55年には前妃の子ブリタニクスを毒殺し、16歳でネロは軍隊に推されて即位。治世初期は哲学者セネカ、近衛長官ブルスの指導により元老院を尊重し、減税、属州防衛に努めた。
しかしやがて乱行により、政治は乱れ、母、妻オクタウィアらを次々と暗殺。
セネカも追放し、解放奴隷チゲリヌス、愛人ポッパエアらが政治を専断。自身も芸術と享楽に耽溺し、64年のローマの大火も彼のさしがねといわれる。大火の責任をキリスト教徒に負わせて彼らを処刑し、ローマ復興のため属州から搾取するなど暴政に傾き、陰謀とそれを弾圧するために処刑が相次ぎ国内に不安が高まった。
67年にはギリシアに旅し、競技を催し自ら優勝したが、その間各地に反乱が起り、ガルバが皇帝を宣し、元老院はネロを死刑と定めた。そのためローマ近郊でのどを切って自殺。奴隷出身のアクテによって葬られた。
<アグリッピナ(小アグリッピナ)>
ネロの母。クラウディウス帝の妃。ゲルマニクス・カエサルとアグリッピナ(大)の娘。
28年グナエウス・ドミティウス・アヘノバルブスと結婚しネロを産んだ。
39年兄のカリグラ帝に対する陰謀のかどで追放されたが、41年にローマに帰り、49年叔父にあたるクラウディウス帝と結婚。
連れ子のネロを養子にさせ、クラウディウス帝と前妃メッサリナとの娘オクタウィアを結婚させ、ついに54年にクラウディウスを毒殺してネロを帝位につけた。
ネロの治世の初期には権力をふるったが、やがてネロと対立し、ネロの刺客によって殺された。
<ネメシス>
ギリシャ神話の復讐の女神。夜ニュクスの子とされ、度外れたすべての行為に対する神罰を神格化した存在。
<ネロと母アグリッピナが決別する悲劇、ラシーヌの『ブリタニキュス』>
・ラシーヌ 「ブリタニキュス」『ブリタニキュス ベレニス』渡辺守章訳 岩波文庫
「ブリタニキュス」は17世紀のフランスの劇作家ジャン・ラシーヌの古代ローマ皇帝ネロを題材にした悲劇。
いかにして暴君ネロが誕生したかがテーマで、ラシーヌ自身はこの作品を「怪物ネロの誕生」と説明した。
ネロが母アグリッピナと決別し、最初の殺人行為、義理の弟ブリタニクス毒殺に至るまでのストーリーは、タキトゥスの『年代記』に基づくが、創作でブリタニクスの恋人として、架空の女性ユリアが登場する。
ネロのユリアへの叶わぬ恋が、ネロを狂気へと導く。
54-59年、スミルナ発行
オモテ:NEPΩNA ΣEBAΣTON AΓPΠΠIN AN ΣEBAΣTHN 向い合うネロとアグリッピナの肖像
ウラ:ΓEBAΣΣIOC ΦIΛOΠATPIC CMY 右向きのネメシスの立像
サイズ:4,53g 18mm
イオニア地方スミルナで発行されたネロの銅貨。オモテ面にはネロ(向かって右)、その母アグリッピナ(左)が刻まれている。
アグリッピナはクラウディウス帝を毒殺して54年ネロを帝位につけた。
ネロはこの時16歳、コイン肖像の顔も初々しい。母アグリッピナと仲睦まじく向き合った肖像はこの時期のアグリッピナの権力を象徴している。ネロはこの後、母を殺めることになるとは露にも思っていなかっただろう。
<スミルナ>
トルコ西部の港湾都市。エーゲ海から深く湾入するイズミル湾奥に位置する。
地中海世界ではアテネに次いで歴史的に重要な都市で、建設はトロイとほぼ同時代の前3000年にさかのぼる。
前1000年頃にはギリシャの植民都市であったことが知られ、前7世紀に都市国家となったが、前6世紀頃リディアに征服された。
前4世紀にアレクサンダー大王によって再建され、小アジアにおける主要都市となった。
後にローマの属州アシアに編入。
<ネロ>
ローマ皇帝(在位54-68年)。
母、アグリッピナは皇帝クラウディウスに嫁し、ネロをその養子とし、さらにネロと前妃の子オクタウィアと結婚させ、さまざまな栄誉を与えて、クラウディウスの後継者とした。
54年アグリッピナは夫を、55年には前妃の子ブリタニクスを毒殺し、16歳でネロは軍隊に推されて即位。治世初期は哲学者セネカ、近衛長官ブルスの指導により元老院を尊重し、減税、属州防衛に努めた。
しかしやがて乱行により、政治は乱れ、母、妻オクタウィアらを次々と暗殺。
セネカも追放し、解放奴隷チゲリヌス、愛人ポッパエアらが政治を専断。自身も芸術と享楽に耽溺し、64年のローマの大火も彼のさしがねといわれる。大火の責任をキリスト教徒に負わせて彼らを処刑し、ローマ復興のため属州から搾取するなど暴政に傾き、陰謀とそれを弾圧するために処刑が相次ぎ国内に不安が高まった。
67年にはギリシアに旅し、競技を催し自ら優勝したが、その間各地に反乱が起り、ガルバが皇帝を宣し、元老院はネロを死刑と定めた。そのためローマ近郊でのどを切って自殺。奴隷出身のアクテによって葬られた。
<アグリッピナ(小アグリッピナ)>
ネロの母。クラウディウス帝の妃。ゲルマニクス・カエサルとアグリッピナ(大)の娘。
28年グナエウス・ドミティウス・アヘノバルブスと結婚しネロを産んだ。
39年兄のカリグラ帝に対する陰謀のかどで追放されたが、41年にローマに帰り、49年叔父にあたるクラウディウス帝と結婚。
連れ子のネロを養子にさせ、クラウディウス帝と前妃メッサリナとの娘オクタウィアを結婚させ、ついに54年にクラウディウスを毒殺してネロを帝位につけた。
ネロの治世の初期には権力をふるったが、やがてネロと対立し、ネロの刺客によって殺された。
<ネメシス>
ギリシャ神話の復讐の女神。夜ニュクスの子とされ、度外れたすべての行為に対する神罰を神格化した存在。
<ネロと母アグリッピナが決別する悲劇、ラシーヌの『ブリタニキュス』>
・ラシーヌ 「ブリタニキュス」『ブリタニキュス ベレニス』渡辺守章訳 岩波文庫
「ブリタニキュス」は17世紀のフランスの劇作家ジャン・ラシーヌの古代ローマ皇帝ネロを題材にした悲劇。
いかにして暴君ネロが誕生したかがテーマで、ラシーヌ自身はこの作品を「怪物ネロの誕生」と説明した。
ネロが母アグリッピナと決別し、最初の殺人行為、義理の弟ブリタニクス毒殺に至るまでのストーリーは、タキトゥスの『年代記』に基づくが、創作でブリタニクスの恋人として、架空の女性ユリアが登場する。
ネロのユリアへの叶わぬ恋が、ネロを狂気へと導く。