古代ローマコイン 帝政期 アウグストゥス デナリウス銀貨 前19年 アウグストゥス肖像 英雄の盾とパルティアから奪回した軍旗

古代ローマコイン 帝政期 アウグストゥス デナリウス銀貨 前19年 アウグストゥス肖像 英雄の盾とパルティアから奪回した軍旗

販売価格: 150,000円(税込)

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作品詳細

古代ローマコイン アウグストゥス デナリウス銀貨

前19年、コロニア・パトリキア(現スペイン南部コルドバ)発行

オモテ: CAESAR AVGVSTVS(カエサル アウグストゥス)
右向きのアウグストゥスの肖像

ウラ:SIGNIS RECEPTIS S-P Q-R(Signis Receptis Senatus Populus Que Romanus ローマ市民と元老院の名において奪回した軍旗) 
中央に盾(盾にはCL V(Clipeus Virtutis 英雄の盾)) 右側に軍団旗、左側に鷲の軍団旗

サイズ:3,61g 20mm

前19年にコロニア・パトリキア(現スペイン・コルドバ)で発行されたアウグストゥスのデナリウス銀貨。

アウグストゥスは前27年、アウグストゥスの称号を得た後、ヒスパニアのカンタブリ人制圧のために、アグリッパと共にヒスパニアへ遠征へ。
幾度の戦いを経て、前19年、カンタブリ人を制圧に成功。

コインウラ面には英雄の盾と2本の軍旗が表されている。
英雄の盾(Clipeus Virtutis)
中央の円形の盾は、盾の中にCL Vの文字がある。これはClipeus Virtutis、英雄の盾を意味する。
前27年にオクタウィアヌスは元老院からアウグストゥス(尊厳な者)の称号を贈られ、公式名はインペラトル・カエサル・アウグストゥスとなった。この時、アウグストゥスのパラティヌスの丘の家の柱は月桂樹で飾られ、クリア・ユリアには金で出来たClipeus Virtutis、英雄の盾が置かれた。
この時のことをアウグストゥスは業績録の中で私の勇気、寛容、公正さ、敬虔さを称えていたと語る。

さらに盾の両側の軍旗はSignis Receptis Senatus Populus Que Roman(ローマ市民と元老院の名において奪回した軍旗)という銘文から、前20年にアウグストゥスがパルティア王国から取り返したローマの軍旗であることがわかる。
この軍旗というのは前53年のカルラエの戦いや前36年のアントニウスのパルティア遠征時のローマの敗北でパルティアに奪われていた軍旗であった。
パルティアの王位を要求する者が、パルティア王フラアテスの息子を誘拐してローマに亡命していた。
アウグストゥスは全ての奪われたローマの軍旗と戦争捕虜と引き換えに、王の息子をパルティアに送り返す条件を出した。
パルティア王はこの交渉に応じ、軍旗と捕虜をローマに返した。

コロニア・パトリキア位置


<コロニア・パトリキア>
現スペイン南部コルドバ、ローマの植民市。
前206年、第2次ポエニ戦争時、ローマの将軍スキピオ・アフリカヌスがカルタゴ軍をスペインのイリパで撃退し、スペインのカルタゴ植民地はローマに支配された。
前169年、マルクス・クラウディウス・マルケルス(プラエトラル 法務官)の時代に植民市が建設された。
前46-45年、カエサルとポンペイウス派の戦いの時には、ポンペイウス派の本営地となった。
アウグストゥスの時代にはさらにローマ都市化が進んだ。
哲学者セネカはコルドバ出身