古代ローマコイン 共和政期 前58年 アエミリウス・スカウルス プラエティウス・ヒュプサエウス デナリウス銀貨 アレタス3世の降伏 2名の貴族造営官のコイン

古代ローマコイン 共和政期 前58年 アエミリウス・スカウルス プラエティウス・ヒュプサエウス デナリウス銀貨 アレタス3世の降伏 2名の貴族造営官のコイン

販売価格: 66,000(税込)

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作品詳細

古代ローマコイン 共和政期 アエミリウス・スカウルス プラエティウス・ヒュプサエウス デナリウス銀貨  

前58年、ローマ発行

オモテ面:M SCAVR AED CVR EX SC REX ARETAS (Marcus Scaurus Aedilis Curulis ex Senato Consulto Rex Aretas マルクス・スカウルス アエディリス・クルリス(貴族造営官) 元老院の承認を得て レックス・アレタス(王アレタス))
ラクダの横でオリーブの枝を捧げ、ひざまずくアレタス3世

ウラ面:P HVPSAEVS AED CVR  C HVPSAE COS PREIVER CAPTVM (Publius Hypsaeus Aedilis Curulis Caius Hypsaeus Consul Preivernum Captum プブリウス・ヒュプサエウス アエディリス・クルリス(貴族造営官) プリウェルヌムを占領したコンスル、ガイウス・ヒュプサエウス)
四頭立て戦車に乗ったユピテル神。馬の下にさそり

貨幣発行者:貴族造営官 マルクス・アエミリウス・スカウルスとプブリウス・プラエティウス・ヒュプサエウス

サイズ:3,73g 19mm

このコインは前58年、貴族造営官を務めたマルクス・アエミリウス・スカウルスとプブリウス・プラエティウス・ヒュプサエウスが発行した。
この貨幣発行者スカウルスは前115年のコンスル(執政官)、アエミリウス・スカウルスの息子にあたる。
彼は、ポンペイウスの第3次ミトリダテス戦争の時に、クワエストル(財務官)、前64年にシリア属州総督となり、前62年にはナバテア王国のアレタス3世を降伏させた。
4年後、前58年、貴族造営官についたアエミリウス・スカウルスはその功績をコインに表した。
オモテ面には、ラクダ(アラビアの象徴)の隣で跪いて降伏するアレタス3世が刻まれている。下部にREX ARETAS(王アレタス)の銘もある。
このコインのプロパガンダが功を成し、マルクス・アエミリウス・スカウルスは前56年のプラエトラル(法務官)に就任した。翌前55年、プロプラエトラルとしてサルディ―ニャ総督に就任。
そして、前54年ローマに帰国し、遂に前53年のコンスル(執政官)にポンペイウスの支持のもと立候補するも、サルディ―ニャ総督中の汚職の罪に問われた、キケロが弁護人になるも、有罪となり追放となった。


コインウラ面はもう1人の貴族造営官(毎年2人)プラエティウス・ヒュプサエウスのための意匠が表されている。
P HVPSAEVS AED CVRは自身の役職と名を表す。それに続く、
C HVPSAE COS PREIVER CAPTVM は「プリウェルヌムを占領したコンスル、ガイウス・ヒュプサエウス」を意味する。
プリウェルヌムは現イタリア・プリヴェルノでウォルスキ族の都市で、前4世紀にローマが支配した。
プリウェルヌムを占領したのが前347年と前341年のコンスル(執政官)ガイウス・ヒュプサエウスで、このコイン発行者の祖先である。偉大な祖先の名を出して、自身の政治活動につなげたのである。
このコインのプロパガンダが功を成し、このプラエティウス・ヒュプサエウスは前55年のプラエトラル(法務官)に就任した。
ついにポンペイウスの支持のもと前53年、前52年のコンスル(執政官)に立候補していたが、内乱により、前52年、ポンペイウスが単独コンスルに任命されると、ポンペイウスに捨てられ追放された。