ネロ帝時代の小説 ペトロニウス 『サテュリコン』 国原吉之助訳 岩波文庫

ネロ帝時代の小説 ペトロニウス 『サテュリコン』 国原吉之助訳 岩波文庫

作品詳細

・ペトロニウス 『サテュリコン』国原吉之助訳 岩波文庫

『サテュリコン』は古代ローマ、ネロ帝時代の作家ペトロニウスが書いた、散文と詩を交えた風刺小説。
ペトロニウスはビテュニア総督や補欠執政官も務めた人物であり、ネロの宮廷仲間として、ネロに文学の快楽を提供した。
しかし活躍も束の間、すぐにペトロニウスはネロの側近の嫉妬を買い、ネロ暗殺を企てたピソの共謀者として告発され、両手首を切って自殺を遂げた。
それゆえ現存する作品は『サテュリコン』とわずかな断片集のみである。

『サテュリコン』という題は「サテュロスたちの物語」というような意味と解釈されている。(サテュロスはギリシャ神話の好色な精霊である)
題名からも期待できるように、この小説は決して読み手を退屈させない。
ストーリーは主人公である放埓な若者エンコルピオスが美しい美少年ギトンの取りあいですったもんだしながら、南イタリアを行脚していく話である。エンコルピオスは旅の途中で様々な奇想天外な出来事に遭遇する。
とりわけ、トリマルキオンという名の成金が開催する饗宴、「トリマルキオンの饗宴」の場面が有名、ネロ帝時代の豪奢な饗宴が描写された史料としても名高い。
また作品の後半で登場する老詩人エウモルポスがカエサルとポンペイウスの内乱の詩を滔々と詠う場面も美しい。