古代ギリシャコイン ペロポネソス半島 シキオン 前431-前400年 スタテル銀貨 シキオンのシンボル、ハトとキマイラの銀貨

古代ギリシャコイン ペロポネソス半島 シキオン 前431-前400年 スタテル銀貨 シキオンのシンボル、ハトとキマイラの銀貨
古代ギリシャコイン ペロポネソス半島 シキオン スタテル銀貨

前431-400年発行

オモテ:ΣE 左向きのキマイラ

ウラ:左に向かって飛ぶハト その周りにリース

サイズ:11,85g 23mm

シキオン位置

<シキオン>
ペロポネソス半島の北部、コリントスの北西に位置する古代ギリシャの都市。
アルゴスの植民市(アポイキア)として政治的、宗教的に従属していたが、前660年頃オルタゴラスによって僭主政が樹立され、その孫クレイステネスの時に国力は最大となり、彼は第一次神聖戦争でロクリスを破壊した。
僭主政は約100年続いたがスパルタによって倒され、以後スパルタの同盟市となり、前3世紀にはアカイア同盟に参加。
その後衰退し、前2世紀には廃墟となった。
シキオンはアルカイック時代から美術の中心地として知られ、前4世紀には彫刻家リュシッポスを生んだ。

シキオン出身の偉大な彫刻家リュシッポスのローマ時代の模刻「アポクシュオメノス (汗と泥をかき落とす男)」

<キマイラ>
ギリシャ神話の怪獣。テュフォンとエキドナの間に生まれた恐ろしい怪物の一つでライオンの頭、山羊の胴、蛇の尾を持つ。口からは火を吐いた。
イオバテス王の国リュキアを襲い、家来はキマイラの吐く火で焼き殺され、王国を混乱に陥れていたが、
ペガサスに乗ったコリントスの英雄ベレロポンによって殺害された。
シキオンはコリントスの隣に位置していたことから、コリントスの伝説に馴染みが深かったため、コインにキマイラを刻んだと思われる。

キマイラのイメージ




<ハト>
ハトは古代オリエントでは女神アスタルテやセラミスの聖鳥とされ、神殿などで飼われ、生贄にもされた。
古代ギリシャでは愛の女神アフロディテと結び付けられていた。
ローマ時代には食用として飼育される一方、伝書バトとしても活用されていたという。
また創世記、ノアの大洪水では、洪水の終わりに、箱舟の窓から、はじめカラスを放ち、次にハトを送り出した。
ハトは止まる所がなかったので、いったん戻ってきたが、さらに7日まって再び放つと、くちばしにオリーブの葉をくわえて戻ってきた。
こうして水が引き大地が戻ったことを知らせたことから平和のシンボルとされる。

シキオンのコインはほぼ全てにハトが刻まれていることからハトはシキオンのシンボルであったと考えられる。シキオン(ギリシャ語でΣικυών)の頭文字、シグマΣをハトの形に見立てている様に見える。

コイン発行時の歴史背景は、下の「コインで見る、古代ローマ史年表」をクリックしてご覧ください。





コイン解説、写真撮影者:中村めぐみ