古代ローマコイン 共和政期 ガイウス・ウィビウス・ウァルス 前42年 デナリウス銀貨 ワインの神バッカスとその聖獣パンサーのコイン

古代ローマコイン 共和政期 ガイウス・ウィビウス・ウァルス デナリウス銀貨

前42年、ローマ発行

貨幣発行者:ガイウス・ウィビウス・ウァルス

オモテ:ブドウの葉の冠をつけた右向きのバッカス神

ウラ:C VIBIVS VARVS 仮面(バッカス祭儀で使われたと思われる)が置かれた花で飾られた祭壇に跳びかかるパンサー チュルソス(バッカスの杖)

サイズ:3,85g 18mm

前42年にローマで発行されたデナリウス銀貨。
オモテ面にはワインの神バッカス、ウラ面にはバッカスの聖獣であるヒョウがデザインされている。
この年はアントニウスとオクタウィアヌスがフィリッピの戦い(マケドニア)でユリウス・カエサルを暗殺したブルートゥス、カッシウスに勝利した年である。


<ガイウス・ウィビウス・ウァルス>
前42年の貨幣発行委員であったことはこのデナリウス銀貨ウラ面に刻まれた名(C VIBIVS VARVS )からわかっているが、歴史上は特に記録にない人物である。

<バッカス>

ミケランジェロのバッカス

バッカスはローマのワインの神でギリシャ神話のディオニソスにあたる。
ゼウスとテーベの王女セメレの子だが、母がヘラの奸計にはめられ、ゼウスに雷神の正体を示すよう強要して、その熱によって妊娠中に焼殺されてしまったため、ゼウスによって母体から取り出され、父神のまたの内に縫込められ、月が満ちるとそこから出されてセメレの姉妹のイノに預けられたが、イノもヘラによって発狂させられたので、ゼウスは彼をニュサという土地に移し、ニンフたちに養育させた。
成長するとシレノスとサテュロスたち、および狂信的な信者の群れを従え、世界中にぶどう栽培を広め、女性の信者を狂気に陥れ山野で乱舞させ法悦を体験させるディオニソス教を広めて回った。

最後には冥府に行き、そこから母を上界に連れ戻して、母子ともにオリュンポスの神々の仲間入りをし、テセウスによってナクソス島に置き去りにされたアリアドネを妻にめとって、彼女も女神の仲間入りをさせた。
ディオニソスの祭はアテネではギリシア劇を発生させ、またオルフェウス教と結びついて、ヘレニズム時代に流行する密儀宗教の一つとなり、初期のキリスト教ともさまざまなかかわり合いをもつなど、文化史的にきわめて重要な役割を果した。


<ヒョウ>
ヒョウは捕食のためだけでなく、遊びのために狩りをするネコ科の動物であるため、危険性、邪悪の象徴でもある。
ギリシャ神話においては、ヒョウはディオニソスとアルテミスの聖獣とされ、豊穣と生殖のシンボル。
古代ギリシャ・ローマではアフリカから運ばれたヒョウが人気がありモザイク画などにもヒョウが表された。

ヒョウに乗るディオニソスのモザイク画、前4世紀頃
古代ローマコイン 共和政期 ガイウス・ウィビウス・ウァルス 前42年 デナリウス銀貨 ワインの神バッカスとその聖獣パンサーのコイン