古代ギリシャコイン アッティカ地方 アイギナ島 スタテル銀貨 前480-前457年 地中海貿易を象徴する海亀の銀貨

古代ギリシャコイン アッティカ地方 アイギナ島 スタテル銀貨 前480-前457年 地中海貿易を象徴する海亀の銀貨
古代ギリシャコイン アッティカ地方 アイギナ島 スタテル銀貨

前480-457年頃発行

オモテ:ウミガメ

ウラ:四角の中に5本の線の打ち込み

サイズ:12,38g

アイギナ島位置

アイギナ島
ギリシャ、エーゲ海西部、サロン湾中部にある島。アテネの外港ペイライエウスの南南西約20kmに位置する三角形の島。
アイギナ島の名はギリシャ神話のアイギナに由来する。
アイギナはアソポス河神とメトペの娘。ゼウスは彼女を奪って、オイノネ島へ連れて行き、アイギナは島の王となるアイオコスを身ごもった。このことから島はアイギナ島と呼ばれた。

考古学的には新石器時代より居住者があり、クレタ、ミケーネとも接触した。
前1100年頃デイフォンテスの率いるドーリア人に征服され、前7世紀アルゴスの僭主フェイドンの支配下にギリシャ本土最初の貨幣が鋳造された。
アルカイック期には海軍力をそなえてサモスと戦い、前506年からはアテネとの長い闘争が始まるが、ペルシア戦争ではギリシャ側について戦功を立てた。アファイア神殿とその優れた彫刻はこの時期に造られた。
しかし前459年アテネとの海戦に完敗し、デロス同盟への強制加入と償金を課せられた。
その後ペロポネソス戦争を扇動したたため、開戦とともにアイギナ市民はアテネによって追放され、前405年スパルタによって回復されたが繁栄は戻らなかった。
ヘレニズム時代ペルガモン王国の統治からローマ領に移された。


アイギナ島はその岩肌の土地から農業には適しておらず、人々は貿易商を盛んに営んでいたと考えられる。島で生産された物の販売、他の島の生産品の輸入、輸送などで利益を得ていた。
アイギナ島の貿易での成功を証明しているのがこの海亀の銀貨である。
海亀の銀貨の発行はギリシャ本土で最初の貨幣発行であったと考えられている。
コインオモテ面の海亀のシンボルは海を渡るアイギナ島の貿易船をイメージしているのかもしれないし、または権力者の紋章であったのかもしれない。
そして興味深いことに前459年にアテネに征服された後、貨幣に刻まれた亀は、海亀から陸亀に変化した。
これはアイギナ島の人々が海の覇権を失い、陸に閉じ込められたことを示唆しているのかもしれない。

コイン発行時の歴史背景は、下の「コインで見る、古代ローマ史年表」をクリックしてご覧ください。





コイン解説、写真撮影者:中村めぐみ