古代ケルトコイン ガリア・レミー族(現フランス都市ランス語源) 前2世紀末〜前50年 ポタン貨 古代ケルト芸術

古代ケルトコイン ガリア・レミー族(現フランス都市ランス語源) 前2世紀末〜前50年 ポタン貨 古代ケルト芸術
古代ケルトコイン ガリア・レミー族 ポタン貨

前2世紀末〜前50年発行

オモテ:右手に槍、左手にトルク(ケルト人に首輪)を持つ長髪の人物

ウラ:クマ? 上部にフィブラ(ブローチ)または巻葉文様?

サイズ:3,97g 20mm



右のデッサンはラ・トゥール著『ガリアコイン図表』(1892年)より


右のデッサンはラ・トゥール著『ガリアコイン図表』(1892年)より


<ポタン>
フランスの古銭学ではこのコインはポタン(Potin)と呼ばれる。
ポタンはガリア人が前2世紀末〜前25年頃まで発行した、さまざまな金属を混ぜて鋳造方式で発行したコインを指す。
このコインの発行はローマによる征服によって縮小したが、アウグストゥスの時代頃まで続けて発行されていたものもある。
分析研究によってポタンに使われた金属は、非常に多くの種類が含まれていたことが分かっている。
ポタンの主要な金属は、銅と錫であるが、中には少量の鉛、ニッケル、鉄、銀、金、アンチモンも含まれていたものもある。
ポタンは交易に使う貨幣としての役割だけでなく、奉納に使うために作られたと推測している研究者も多い。


<レミー族>
ガリア・ベルガエ、現フランス、シャンパーニュ地方マルヌ県、アルデンヌ県に居住していたケルト人。
マルヌ県の都市ランス(Reims)の語源はレミー族(Remi)に由来する。
ガリア戦争中、ローマと友好関係を結び、ローマを助けたことで知られる。


<カエサル『ガリア戦記』のレミー族に関する記述>
(前57年:2巻)
・ベルガエ人の戦争の際、レミー族は他のベルガエの部族と共に蜂起せず、いち早く、カエサルの元に、部族の有力者イッキウスとアンデコンボギウスを使節として送り、身柄財産を全てローマに託すことを約束し、ローマに服従した。
※レミー族が同じベルガエ人のスエッシオネース族の支配下に置かれていたため、ローマと友好関係を築くことで、部族の保全を確保しようとしたと推測されている。

・カエサルはレミー族の有力者の子供を人質に取り、レミー族からベルガエ人の武力や領土に関する様々な情報、兵糧を仕入れ、レミー族の領土に陣地をしいた。

・カエサルの陣地から8哩離れたレミー族の町ビブラクスにベルガエ人が襲撃をしかけたため、レミー族のイッキウスがカエサルに援軍を求めた。
これを受けカエサルはレミー族にヌミディア人、クレタ人、バレアレス人の兵士を援軍としてビブラクスに送った。
このカエサルの援軍によりベルガエ人はビブラクスを陥落させることは諦め、ビブラクスの周りの町を略奪し焼き払った。

(前54年:5巻)
エブロネース族、ネルウィー族、トレウェリー族征伐に向け、レミー族の領土にティトゥス・ラビエヌスの軍団を冬営させた。

(前52年:7巻)
ウェルキンゲトリクス率いるアレシアの戦いの後、カエサルは副将のガイウス・ファビウスとルキウス・ミヌキウス・バシルスを2個軍と共にレミー族の領土に配置し、未だ服従させていないベロウァキー族を監視した。

(前51-前50年:8巻)
カエサルはベロウァキー族の反乱に対しレミー族から集めた兵を送り込むが、レミー族の指導者が倒され大打撃を受けた。
コイン発行時の歴史背景は、下の「コインで見る、古代ローマ史年表」をクリックしてご覧ください。





コイン詳細、掲載写真撮影:中村めぐみ