古代ローマコイン 共和政終焉期 前49年 コルネリウス・レントゥルス クラウディウス・マルケッルス デナリウス銀貨  前49年、シチリアへ逃亡した2人の執政官のコイン

古代ローマコイン 共和政終焉期 前49年 コルネリウス・レントゥルス クラウディウス・マルケッルス デナリウス銀貨  前49年、シチリアへ逃亡した2人の執政官のコイン
古代ローマコイン 共和政期 デナリウス銀貨 ルキウス・コルネリウス・レントゥルス  ガイウス・クラウディウス・マルケッルス

前49年、シチリア島またはイリュリア発行

オモテ:トリスケル(三脚巴紋)、トリスケルの中央にメデューサ、麦穂
ウラ:LENT MAR COS (Lentulus Marcellus  Consules レントゥルス マルケッルス コンスルたち)
雷挺と鷲を持つ、ユピテル立像

貨幣発行人:前49年のコンスル(執政官)2名、ルキウス・コルネリウス・レントゥルス 、ガイウス・クラディウス・マルケッルス

コインのサイズ:3,46g 20mm


前49年、カエサルがルビコン川を渡り、ローマに向かって進軍したため、ローマの元老院、ポンペイウス派はローマから離れた。
その年のコンスルであったルキウス・コルネリウス・レントゥルスとガイウス・クラウディウス・マルケッルスは、まずはシチリア島、そして次にイリュリアへと向かい、そこで軍事力を確保し、前48年のファルサルスの戦いへと備え、このコインを発行した。

前48年、ファルサルスの戦いでカエサルが勝利し、ポンペイウスがエジプトで殺され、この2人のコンスルも殺された。

コインオモテ面には、シチリア島を象徴するトリスケルが表されている。
トリスケルはシチリア島が三つの水域に面していることを示唆している。北側はイタリア半島へのティレニア海、東側はギリシャへのイオニア海、西側はすぐにアフリカ大陸である。
シチリアのトリスケルのシンボルはこのコインを発行したガイウス・クラウディウス・マルケッルスの祖先、マルクス・クラウディウス・マルケッルスに由縁する。
マルクス・クラウディウス・マルケッルスは前222年、前215年、前214年、前210年、前208年と5回コンスル(執政官)を務めた、ハンニバルと戦ったローマの英雄である。
この人物が、プロコンスル(執政官格)としてシチリアを管轄していた、前212年、シラクサを占領し、かの有名な科学者アルキメデスがローマ兵士に殺害された。
このシラクサの占領によって、ローマにギリシャの美術品が流入した。

コインウラ面にはギリシャ神話のゼウスにあたるローマの最高神ユピテルが表された。
カエサルと対峙した、コンスル2人は、ローマの最高神ユピテルの加護を受けていることをコイン図像で主張し、ファルサルスの戦いへと挑んだのである。
コイン発行時の歴史背景は、下の「コインで見る、古代ローマ史年表」をクリックしてご覧ください。





コイン解説、写真撮影者:中村めぐみ