古代ローマコイン 共和政期 前106年 スルピキウス・ガルバ デナリウス銀貨 ペナテス(家庭・国家の守護神)の肖像 ローマ建国神話の雌ブタ

古代ローマコイン 共和政期 スルピキウス・ガルバ デナリウス銀貨

前106年発行

オモテ: D P P [Dei Penates Publici 国家の神ペナテス] 連なったペナテス(家庭・国家の守護神)の肖像

ウラ:C SVLPICI C F [Caius sulpicius Caii Filius カイウス・スルピキウス カイウスの息子] 槍を持った2人の兵士と雌ブタ、2人の兵士の間には、Q

サイズ:3,86g 19mm

この貨幣を発行した、スルピキウス・ガルバのスルピキウス家は、アイネイアスのラウィニウム建国時から伝わる家系であると主張していた名門。後のローマ皇帝ガルバはこのスルピキウス家の出身。

オモテ面に刻まれたペナテスは、家庭・国家の守護神。
ペナテスの名は、食料貯蔵室(penus)または、守護神の居場所が家の奥まったところ(penitus)に由来する。
ペナテスの肖像の前の銘、D P P [D(I) P(ENATES) P(VBLICI)]は「国家の守護神たち」の意。
ペナテスの神殿はパラティヌスの丘のウェリアと呼ばれる高みにあった。
ウラ面の雌ブタと兵士の意匠は、イタリアに着いた、アイネイアスが予言どおり、30匹の仔を産んだ雌ブタを見つけ、そこにラウィニウムを建国したという神話を表しているとされる。
下の銘、C SVLPICI C F [C(AIVS) SVLPICI(VS) C(AII) F(ILIVS)]は「ガイウスの息子ガイウス・スルピキウス」、貨幣発行委員の名である。

このコインは縁がギザギザした、デナリウス・セッラートゥスと呼ばれているデナリウス銀貨。この周りがギザギザしたデナリウス銀貨は、ローマ共和政期に度々つくられた。これは、打刻に失敗したわけではなく、周りをギザギザさせることによって、メッキ貨ではないことを印象づけるためにとられた手法であるとも考えられているが、デナリウス・セッラートゥスのメッキ貨も見つかっていることから、必ずしもこの説が正しいかはわからない。

ローマに残る、アラ・パキスのレリーフにもアイネイアスと豚が表されている。

アラパキス上段レリーフ右側にアイネイアスと豚がいる

レリーフ拡大写真 左下に豚

前137年発行のデナリウス銀貨にも豚が表されている。

古代ローマコイン 共和政期 前106年 スルピキウス・ガルバ デナリウス銀貨 ペナテス(家庭・国家の守護神)の肖像 ローマ建国神話の雌ブタ